
Project Story 近畿圏「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」プロジェクト
阪急×阪神の統合を
象徴する計画。
最新オフィスでの
“新たな働き方”を提案すべく
子育て中の社員も
最前線で活躍。
西日本最大のターミナル駅である大阪・梅田エリアでも屈指の立地を誇る大型複合ビル「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」。これは阪神電気鉄道が所有し阪神百貨店が入居していた大阪神ビルディングと、阪急電鉄が所有していた新阪急ビルを一体的に建て替える、阪急阪神の統合を象徴するプロジェクトです。2014年よりⅠ期工事、2018年よりⅡ期工事がスタートし、2022年春に百貨店・オフィス・カンファレンスホールを備えた大規模複合ビルとして全面開業し、充実したオフィスサポートフロアなど先進的な取り組みが注目されています。



海外開発事業部
(プロジェクト当時は開発推進部に所属)
経営学研究科 会計システム専攻修了 | 2011年入社
育児と仕事の両立を模索していた時期、
梅田の大規模プロジェクトに大抜擢。
「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」プロジェクトの検討が開始されたのは2006年。ビルの名称が決まるまでは「梅田1丁目1番地計画」として、阪急阪神グループの最重要拠点である梅田エリアの価値向上に向けた重点施策の一つでした。本プロジェクトで目指したのは、大阪神ビルディング・新阪急ビル間の道路上空を活用したビルの建て替えと周辺公共施設整備を一体的に行うことにより、都市機能の高度化や防災機能の強化、公共的空間の創出、良好な景観の形成などを図り、国際競争力の強化に資する快適で質の高いまちづくりを進めること。2012年に全面開業した梅田阪急ビル(現在の大阪梅田ツインタワーズ・ノース)、2013年にまちびらきを迎えたグランフロント大阪に続く大規模プロジェクトとなるだけに当社グループ内外からの期待も高く、構想から16年、工事着工から8年という長い時間をかけて阪急・阪神の双方でたくさんのメンバーが関わってきました。
そのなかで私が参加したのは、2018年のⅠ期棟の竣工直前から2022年の全面開業まで。プロジェクトへの参加が決まった時、私は入社8年目で、1人目の子どもがまだ0歳でした。産休明けの間もないタイミングで大規模プロジェクト担当になったことは驚きで、思いがけない異動ではありましたが、子どもが生まれた後も「今後のキャリアにプラスになるスキルや経験を身につけたい」「総合職としてきちんと成果を出したい」という気持ちのほうが強く、とても良い機会だと捉えていました。新しい仕事を覚えながら乳児を育てるのは当然ハードでしたが、子どもの成長に応じた要望に柔軟に対応してもらい、働き方を工夫しながら組むよう心がけていました。

オフィスワーカー専用フロアなど
梅田に「新たな働き方」を提案。
プロジェクト担当には大きく「建築」「設備」「開発」の3つの役割があり、建築・設備担当は主に技術職、開発担当は主に事務職の領域です。私は開発担当としてⅠ期棟のアセットマネジメント業務と、Ⅱ期棟の開発業務を推進しました。開発業務といっても、建物の仕様検討、リーシング、契約協議・手続き、ビル管理規則の策定、収支計画や社内説明資料の作成、広報業務など多岐に渡ります。幅広い業務を担うことで不動産事業全般の基礎を学ぶことができました。
大阪梅田ツインタワーズ・サウスは、百貨店、オフィス、カンファレンスで構成されていますが、オフィスゾーンは、他のゾーンと比較しても企画の自由度が高く、コンセプトの検討や空間づくりから関われるのが興味深い点でした。オフィスゾーンでは、「つながる梅田の中心」「おもてなしサービスのあふれるビル」「ウェルビーイングを実感」をコンセプトに、心と体が満たされるワークプレイスとなることを目指し、ビル12階にオフィスワーカー専用フロア「WELLCO(ウェルコ)」を設置しました。WELLCOには、ワークブースやラウンジ、カフェに加え、フィットネス、仮眠室等幅広い機能を備えました。入居企業にお勤めの方であればオンオフ両方で使える大規模なオフィスサポートフロアは、当時の大阪ではまだ珍しく、リーシングの際にも高く評価いただけたポイントです。
オフィスの企画をしていた頃はABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング、仕事の内容や気分に合わせて、働く場所や時間を自由に選択できる働き方)の考え方が出始めた時期でしたが、WELLCOに様々なシーンで活用できる機能を集めたことで、執務室で働くだけではない、新しいオフィスでの働き方をご提案できました。在宅勤務がより一般的になった現在でも、WELLCOという人が交流できる空間があることが、オフィスに出社する意味にもつながると考えています。


当初思い描いたカタチを実現。
この先も梅田を彩るランドマークに。
本プロジェクトは周辺の公共施設も含めた大規模開発であり、さらに百貨店の営業を継続しながらの建て替え工事、オフィス・百貨店・ホールの3つのゾーンを同時に進めつつ、環境配慮やウェルビーイングの視点も採り入れる…というハードルの高いものでした。さらにプロジェクトの終盤にはコロナ禍や建設工事費の高騰等社会情勢の変化などもあり、スケジュール通りに開業させること自体も難しくなる中、何か課題があると建築・設備・開発それぞれのプロたちが集まり、チームで解決していく姿がとても印象的でした。本プロジェクトはかなり大規模なものなので、自分だけで何か仕事をやり遂げた!という経験はあまり多くないですが、当社はもちろん開業後の施設運営を担う阪急阪神ビルマネジメントのメンバーも含め多くの方々と一緒に一つずつ課題を解決し、プロジェクトを進捗させることはとても学びの多い経験でした。
一方、プライベートでは子育てとの両立に奮闘する日々でした。在宅勤務やフレックスの制度があったことで、子育てをしながらも職場での役割も果たすことができたと感じています。もちろん、育児休業や時短勤務などを活用することもでき、本人の希望や子どもの成長にあわせて、働き方の選択肢があるというのが当社のいいところではないでしょうか。
「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」は2022年の全面開業後、多くの企業に入居いただき、「立地も良く、多様な機能が揃っている」ということでお喜びの声をたくさんいただいています。これからも梅田のシンボルとなるビルとして多くのお客様に親しんでもらいたいと願っています。
