近畿圏「ジオタワー大阪十三」プロジェクト

Project Story 近畿圏「ジオタワー大阪十三」プロジェクト

十三エリアの
ポテンシャルを発掘。
都市の快適と自然の
美しさが調和した
ウエルネスな街づくりで
次代を拓く。

2026年春に完成予定の「ジオタワー大阪十三」は、集合住宅、図書館、保育・学童、商業、学校等からなる関西最大級の複合開発プロジェクトです。阪急電鉄主要3路線の結節点である「十三」駅から徒歩3分という抜群の立地。そして将来の新線計画にも期待が高まる十三エリアのポテンシャルを最大限に活かし、にぎわい創出や地域の交流拠点として発展させていくための大きな契機となるプロジェクトと位置付けています。

吉森

住宅事業本部 マンション事業部 事業推進グループ
工学部 建築学科卒 | 2016年入社

関西最大級のビッグプロジェクトに
グループの総力を結集させて挑む。

本プロジェクトは2019年、大阪市が実施した「もと淀川区役所跡地等活用事業」のプロポーザルコンペに応募したのが始まりです。阪急電鉄「十三」駅のすぐそばという当グループにとって非常に重要なエリアだけに、当時の担当者たちが「何としても事業者に選ばれたい」と強いパッションを持って提案準備にあたりました。「十三」は阪急神戸線・宝塚線・京都線が乗り入れるハブ駅であり、開発地はそこから徒歩3分。高層階からは淀川越しに梅田を一望できるような素晴らしい立地で、魅力的な商品企画が可能だと思われました。その一方で十三エリアは分譲マンションの供給が非常に少なく、「住みたい街」としてはあまり認識されていないという問題点も。そのため周辺マーケット調査を行っても実際どのくらいの需要が見込めるのか予測が難しく、提案には多くのアイデアと労力を要しました。

結果的に当社が大阪市から評価されたのは、十三エリアの課題である人口バランスの改善に向けて、総合的なエリアマネジメント計画を提案できたこと。十三エリアはこれまで若い独身世帯が多く、十三で生まれ育って住み続けるファミリー世帯が少ないというのが淀川区としての課題でした。そこで私たちは大規模なマンション開発だけでなく、商業施設や学校なども含め、子育て世代がこの街に心地よく住み続けられる青写真を描いたのです。
単独事業者としては関西最大級の規模、もちろん当社のマンション事業としても類を見ないほどのビッグプロジェクト。かつ図書館や学校といった行政施設、商業施設を含めた複合施設であり、土地も定期借地権という当社としては珍しいスキームのオンパレードでした。しかしながら、当社はこれまでJR「高槻」駅北東地区開発事業「MUSEたかつき」をはじめ、タワーマンションや商業施設を巻き込んだプロジェクトも数多く手がけており、培ったノウハウと知見を総結集させて挑みました。

吉森

「ウエルネス」を全体コンセプトに掲げ
数年後を見据えた未来志向の開発に注力。

まず大阪市の公募に挑戦した2019年、用地開発部とマンション事業部による合同プロジェクトチームを発足。2020年に事業予定者として選定され、2021年には最終的な敷地の形状が確定。並行して大阪市・設計者・施工者・事業パートナー・テナント事業者などの関係各社と企画を推進し、2022年に着工しました。2025年現在も工事中で、2026年春に完成する予定です。
私は選定後プロジェクトメンバーに入り、業務全般の窓口として関係各社との調整を行っています。例えば、共用部の詳細デザインやシステムの構築について設計者・施工者と打ち合わせしながら決めたり、品質管理グループと施工課題の解決方法を思案したり、入居予定の事業者と話し合いをしたり。様々なパートナーと協議し、事業主として判断・指示するのが仕事です。当社は比較的若いうちから重要な仕事を任せてもらえますが、入社5~6年(プロジェクトメンバー抜擢当時)でこれだけのビッグプロジェクトに関われるのはスゴイこと。入社前から「いつか大規模な複合開発プロジェクトに携わりたい」と思っていた夢が叶い、やりがいを感じる毎日です。

計画当時、2026年の完成に向けて計画を立てなければいけないのは難しいところでした。2020年に市場やお客様ニーズの高かったものが、2026年にも同じように求められるのか。特にこの数年はコロナ禍で社会の価値観ががらりと変わった転換期でもありました。そんななか打ち出した「ウエルネス」という全体コンセプトは今も、次世代にも通じるアイデアだと思います。「ウエルネス」が目指すのは、心身ともに健康でいきいきとした生活を送るためのライフスタイルを自然に創り出すこと。海外の高級レジデンスの事例なども参考にしながら、ただ単に緑を配置するだけでなく、水の循環システムや地域ならではの植生といった「バイオフィリックデザイン(自然を感じられる環境を整備する手法)」を採り入れました。

施設概念図
施設概念図
スカイラウンジ完成予想図
スカイラウンジ完成予想図

十三エリアの魅力を掘り起こし
愛着が湧く街づくりへ。

「ウエルネス」をコンセプトにしようと決まったきっかけは、プロジェクトメンバー4人で十三エリアの下見に行った時のこと。淀川の河川敷を歩きながら、「一丸となって頑張ろう」と励まし合っていました。ふと見ると、淀川の向こうはすぐ梅田のビル群が建ち並ぶ都心なのに、周囲には緑・光・水・風があふれて気持ちいい。この魅力をダイレクトに伝えることができたら絶対に多くのお客様に評価してもらえるはずだと考え、「ウエルネス」という言葉が生まれたのです。今もメンバーの4人で集まると、この河川敷を歩いた時の話をして盛り上がります。

現在、私は最上階の共用エリアや高層にあるスカイラウンジの詳細打ち合わせ、引き渡しに向けた準備、販売計画の見直しなどを行っています。すでに販売は何期かごとに分けて進めており、おかげさまで売上も好調。2024年、関西成約戸数No.1物件となっています。計画を通じて近隣の方々や十三で活躍されている方とお話する機会もありますが、皆さんがこの街の完成を本当に楽しみにしていただいているのが伝わってきて嬉しいですね。今後は淀川区役所跡地の計画や河川敷の整備なども予定されており、地域の皆さんにどのように活用いただくかについて、淀川区主催の「わいがや推進委員会」参加し一緒に十三について語り合う事もあります。
「十三」駅は、これまで多くの人にとって乗り換えで利用するだけの駅だったかもしれません。しかしこれからは、改札をくぐって新たに誕生した街の姿を見ていただきたいと思います。本プロジェクトは十三エリア開発の第一歩を飾るフラッグシップとして、記録にも記憶にも大きく刻まれるはず。実際に訪れてもらえば、きっと誰もが十三のことをすごく好きになるんじゃないかなと期待しています。

吉森