Project

首都圏「ジオグランデ元麻布」プロジェクト

首都圏初の〈ジオグランデ〉。
建築家・隈 研吾氏の参画も得て
独自の高級・高品質を具現化。

阪急阪神不動産が近畿圏・首都圏を中心に展開するマンション〈ジオ〉シリーズにおいて、トップブランドに位置づけられる〈ジオグランデ〉。それまで近畿圏にしかなかった〈ジオグランデ〉が2017年末、ついに首都圏にも誕生しました。ロケーションをはじめとする社内の厳しい基準をクリアし、高級・高品質への新たな挑戦となったのは「ジオグランデ元麻布」。麻布という超一等地に住居を求める富裕層の心を、どのような企画ならつかむことができるか。手探りでスタートした開発プロジェクトは、隈 研吾氏という著名建築家の力も得て期待以上のものへと昇華しました。

垣本 雄司 Yuji Kakimoto

住宅事業本部 首都圏用地開発部 再開発・建替えグループ(インタビュー当時は、首都圏マンション事業推進部 事業推進担当)社会学部 社会学科 卒 2009年入社

PROJECT STORY 01 PROJECT STORY 01

六本木や広尾に囲まれた閑静な住宅街。
見えてきた「静謐と発信性」という在り方。

入社後2年半は大阪でマンションの営業を担当し、“グランデ”も「ジオグランデ東中条」の販売に携わった経験があります。その後、2011年に東京の首都圏事業本部に異動してからは開発の仕事が主となり、都内各地や郊外の大型物件など様々なタイプのマンション開発を手がけてきました。この数年は事業本部全体で都心一等地のプロジェクトが増え始め、私にとって「ジオ赤坂丹後町」に続く「3A」エリアでの物件が今回の「ジオグランデ元麻布」でした。 「3A」とは「赤坂・青山・麻布」の頭文字に「A」がつく3つの地域を指し、不動産業界では特にプレミアム性の高い住宅エリアとされています。マンション開発が可能な土地の取得は非常に難しく、当然、価格はそれ相応のものに。赤坂での企画・推進もかなり難しいものでしたが、今回は首都圏初の“グランデ”として開発することになり、さらなるプレッシャーを感じたのは確かでした。一方、阪急阪神不動産が新たなステージに踏み出す現場に参画できるうれしさも感じ、プレッシャーより期待のほうが上回っていた記憶があります。 〈ジオ〉シリーズには、その土地に合ったマンションをつくり、地域の価値向上にも寄与するという考えがあって、いずれの物件でも「土地や地域を見る」ことから開発プロジェクトは始まります。周辺を歩いて環境を知り、元麻布という地を学び、今回思い至ったのが「内に静謐と心地よさを醸しつつ、外に向けて発信性のある邸を描く」でした。元麻布は地下鉄の六本木・麻布十番・広尾駅を結んだ三角形のほぼ中央に位置し、 華やかさに隣接しつつ静かさを保った住宅街です。寺社も多く、古くからの住宅街でありながら、幕末期にはアメリカやロシアの公使館が置かれ、今も各国の大使館があるなど、海外に開かれた街という側面も持っていたのです。そのような特性を活かした“グランデ”をどう具現化するか。手探りで企画を進める中で実現したのが、国際的に活躍する建築家・隈 研吾氏の参画でした。

PROJECT STORY 02 PROJECT STORY 02

著名建築家・隈 研吾氏との協創をとおして、
プロジェクトは大きく昇華した。

黒い外壁とガラスのバルコニーで個性を際立たせたデザイン
日本有数の著名建築家であり、新国立競技場の設計者に決まったことでより多くの人に知られることになった隈 研吾氏ですが、建築を実施する土地の風土や自然を重視する姿勢でも知られています。ここに我々の〈ジオ〉と共通するところがあり、また日本の伝統美への造詣も深いことから、意匠監修を依頼することになりました。 デザイン監修に著名建築家を招聘していることを外しては語れません。居住性と意匠性をいかに高いレベルで共存、もしくは昇華させていくか、そこが今回の大きな挑戦でした。隈氏も住宅のご実績もおありでしたが、やはり美術館や施設のご実績が多く、素材の選定やディティールのおさめ方など、我々との目線の違いも多くありました。安全性やメンテナンス性など“住まい”としての性能と意匠性を両立させるべく、その違いの細部に至るまで議論を重ねました。 こちらの主張ばかりでは、ご提案の良さが死んでしまうし、かといって意匠性ばかりを優先しては〈ジオ〉ではなくなってしまう。我々がつくるのは“住まい”であり、〈ジオ〉であることが大前提です。そのため、ゼネコンや設計会社はもちろん、メーカーの方や管理会社も巻き込み、ある時は特注し、モックアップをつくり、検証し、メンテ方法を整理し・・・、行き詰まっては採用実績のあるホテルや美術館に行き、経年の状況を確認したり、責任者の話を伺ったり、泥臭く動き回りながら徹底的に検証しました。ひとつひとつは細かいことかもしれませんが、そうしたディティールまで妥協せずに議論し、検証を積み重ねた結果、全体の調和が生まれ、特別な時間を過ごしていただくにふさわしい“住まい”へ昇華できたのだと思います。 そのひとつが大判ガラスを使ったバルコニーで、住宅では非常に珍しいですが、外壁の重厚感のあるタイルと絶妙なコントラストを生み、「静謐と発信性」を上手く体現していると思います。
黒い外壁とガラスのバルコニーで個性を際立たせたデザイン

PROJECT STORY 03 PROJECT STORY 03

初めて経験した“グランデ”の開発で学んだのは、
みんなが高みを目指すチームビルディングの重要性。

首都圏初の〈ジオグランデ〉を具現化するにあたり、難しかったのは「どこまで突き抜ければいいのか」ということでした。通常の〈ジオ〉であれば、求められている水準を自然につかむことができます。しかし今回は、参考にできる前例が何もありません。当然に求められることと、そこからどこまで手をかけることが「ジオグランデ元麻布」の特長となり、お客さまへのベストアンサーになるのかの判断がつきにくかったのです。その解決策のひとつが、お客さまを徹底して想定したことでした。 どの物件においてもお客さま像は想定しますが、今回は19戸すべての住戸において具体的なお客さま像を描きました。このお部屋のオーナーは実業家で半分は仕事場として使う。このお部屋は外資系企業の役員で、日本法人への異動を機にセカンドハウスとして住まわれる、など。このようにきめ細かく19のお客さま像を描き、事業パートナーと意見交換をしながら各住戸や共有部の企画を詰めていくことで、「ジオグランデ元麻布」ならではのこだわりに行き着きました。部材・工法・設備など、ハイレベルな仕様であることはもちろんですが、しかしそれ以上に、細やかな工夫や作業の積み重ねこそが、私たちの目指す高級感の実現に結びついたと感じています。 私が今回のプロジェクトで学んだことのひとつは、チームビルディングの大切さでした。印象的だったのが、隈事務所や設計会社・施工会社など、事業パートナーのメンバーが「お客さまにとってより良いものをつくる」という共通の目標を共有し、高い意識を持って取り組んだときに生まれる相乗効果の大きさです。我々からの一方的な想いだけではなく、プロである各メンバーからも「こうあるべきでは」「こうしたらよいのではないか」という想いが積極的に発せられ、非常に大きな力となりました。それは、プロジェクト責任者である私の上司によるチームビルドが生んだ成果であり、今後、自分が身につけるべき重要な目標となっています。