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阪急阪神不動産の物流施設「ロジスタ」
人、物、情報が交差する物流ステーション

2025.08.18 Mon

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阪急阪神不動産が手がける物流施設ブランド「ロジスタ」は、総合不動産デベロッパーとしての物流分野への新たな挑戦としてスタートしました。これまで住宅や商業施設の開発を手がけてきた当社にとって、物流事業は新たな領域でしたが、長年の不動産開発のノウハウを活かし、後発ながらも独自の強みを持つ物流施設の開発を進めています。
今回はロジスタ開発当初から現在の運用までに関わっている4名のコアメンバーにお話を伺いました。

INDEX

写真左より、北川さん、手邊さん、古家さん、井上さん

阪急阪神不動産株式会社
古家洋介さん 開発推進部 物流営業企画グループ
井上 猛さん 開発推進部 開発グループ 兼 物流営業企画グループ
北川洋次さん 開発推進部 開発グループ 兼 物流営業企画グループ

阪急阪神ビルマネジメント株式会社
手邊 徹さん 施設管理部

 物流施設ブランド「ロジスタ」への想い

-井上さん
当社グループは、これまで自社の鉄道沿線エリアを中心に、住宅やオフィス・商業施設などさまざまなアセットを開発してきました。
その根底には、沿線に住む方々や、沿線を利用する方々のためにという、「人」を中心に考えてきた歴史があります。

そして今、私たちは新たな開発アセットとして「物流施設」に取り組んでいます。
物流施設は立地の特性上、沿線開発とは異なる領域に位置づけられることもありますが、私たちの視点は変わりません。物流という生活インフラを支えるこの分野への取組に際しても、「人」を中心に据えるべきだと考えました。

物流は、商品が製造工場から倉庫へ、そして店舗や消費者に届けられる流れを支えています。ECの拡大により、倉庫から直接個人へ商品が届く機会も増え、物流は生活により密着する存在となりました。この流れを担うのは、テナント企業 (入居する物流事業者)、倉庫内で働く従業員、配送・運送を担うドライバーなどの皆さまです。
物流施設「ロジスタ」においても、"「安心・快適」そして、「夢・感動」をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します"という当社グループの経営理念を実現するため、消費者、従業員、ドライバー、すべてのステークホルダーにとって、より良い環境を提供することを目指しました。

その想いを象徴するように、ロジスタのロゴマーク※には、人を意味する「i」のモチーフを中心に据えており、物流に関わるすべての人に寄り添う場所でありたいという願いを込めています。

※ロジスタのロゴマークについて
「LOGI」(物流)+「STATION」(駅=拠点)。
鉄道を中心にまちづくりを行ってきた当社グループを象徴するネーミング〈ロジスタ〉。
名称の中央にある小文字の「 i 」は「 私=人 」を表しており、安心・安全への配慮や快適な環境づくりなど、「 人 」を軸にした物流施設であることを示しています。(2020年7月にブランド名・ロゴ決定)

 テナント企業の利便性を追求

-古家さん
ロジスタは、標準的なスペックを備えつつも、実際に利用するテナント企業さまの視点に立った設計が特徴です。特に、雇用確保に貢献する施設づくりや、通勤しやすい立地を重視している点は、多くの企業さまから高く評価されています。大規模物件だけでなく、中小型の物件にも力を入れ、さまざまなニーズに対応しているのも強みです。

開発実績のご紹介 関西圏

-手邊さん
以前は、阪急阪神不動産にて「開発・リーシング」を担当し、現在は、阪急阪神ビルマネジメントにて「運営・管理」の担当として引き続きロジスタに関わっています。

物流施設は、荷物それぞれの特性に応じ、効率的な荷役や倉庫運営、設備投資の最適化が必要です。また、テナント企業さまのオペレーション負担を軽減するためには、最適な管理体制を構築し、日々の業務をスムーズにすることに加え、現場の状況を把握したうえでの施設仕様や運営計画の改善などが重要となります。実際の施設管理・運営で得た知見を活かし、より実用的で使いやすい施設づくりを目指すことは、長期的に見たコスト削減や業務の効率化にもつながります。テナント企業さまにとって、より快適で使い勝手が良い施設を作っていきたい、その想いは運営・管理を担当することで、さらに強くなりました。

開発段階から賃貸・運営フェーズまでの一体的なプロジェクト進行に加え、リーシングやプロパティマネジメント(PM)・ビルメンテナンス(BM)の課題を次の開発に反映するサイクルを構築し、常に進化し続ける物流施設を提供し続けていけるよう、グループ力を活かし、取り組んでいきたいと考えています。

 従業員の使い勝手にもこだわった施設設計

-北川さん
倉庫内で働く従業員の皆さまにも喜んでいただける施設設計を目指し、テナント企業さまへの定期的なヒアリングを通じて、倉庫や事務所の使い勝手の向上に努めています。
当社が持つオフィスや商業施設、マンション開発などの総合デベロッパーとしての豊富なノウハウを活かし、エントランス空間やリラックスできる休憩スペース・ラウンジなど、デザイン性の高い設計にもこだわっています。

エントランス事例

ロジスタ・ロジクロス茨木彩都:直進性とアクセントを備えた洗練されたデザインに、物流施設らしいスピード感を光で表現する演出も。

ロジスタ豊中:石目調タイルを採用することで高級感のあるエントランス空間に。

ロジスタ北伊丹:天井には木目調ルーバーと金属製メッシュの装飾を施し、温かみのあるデザインに。

休憩スペース・ラウンジ事例

ロジスタ・ロジクロス茨木彩都:東側休憩室「Morning Sun Room」

快適で働きやすい環境づくりを企図し、「㈱日比谷花壇」がプロデュースした、みどりに囲まれた休憩室。

ロジスタ京都伏見:木目調の家具を採用したカフェのような従業員用ラウンジ。

 テナント企業の設備投資負担減を目指して

-北川さん
さらに、入居するテナント企業さまのニーズを踏まえ、設備投資資金に最大限配慮した設計も特徴です。

ロジスタ京都上鳥羽:1階倉庫部分

ロジスタの第一号案件であるロジスタ京都上鳥羽では、1階倉庫部分に低床式バースと10mの大庇を設け、広い荷捌きスペースを確保。荷役業務の効率化を図るとともに、2.8tの天井クレーンを設置することで、建材などの重量物のスムーズな取扱いを実現しました。

ロジスタ・ロジクロス茨木彩都A棟:免震構造

ロジスタ・ロジクロス茨木彩都A棟では免震構造を採用しています。
建物と地盤の間にダンパーやアイソレータなどの免震装置を設置することで、地震時の揺れを吸収し、建物への影響を最小限に抑える仕組みです。
従来の耐震構造に比べて揺れが伝わりにくいため、医薬品などの高価な商品や精密機器を取り扱うテナント企業さまからの要望にも応えられる高付加価値な施設となっています。テナントが個別に地震対策を講じる必要がないため、設備投資の軽減にもつながり、安心して事業運営ができる環境を提供しています。

ロジスタ・ロジクロス茨木彩都A棟:倉庫内部、中央車路

さらに、施設構造にも工夫を凝らしています。
大空間を活かしたワンフロアオペレーションと、11m×10.45mの標準柱スパンを採用することで、スムーズな動線の確保と自由度の高いレイアウト設計を実現。これにより、レイアウト変更時の工事コストや時間的負担を抑え、設備投資の最適化につなげています。
また、上り下りが独立したダブルランプウェイ※を設けることで、各階へのアクセスが分散され、トラックの出入りが安全かつ円滑に行える設計になっています。1階から4階にはそれぞれ40台分のトラックバースを設置しており、ピーク時でもスピーディーで正確な入出庫オペレーションが可能です。

※ランプウェイ(Rampway)
地上から上層階までを繋ぐ螺旋状の車路のこと。

 シングルテナント型で効率的なオペレーションを可能に

-北川さん
ロジスタ大阪松原、ロジスタ豊中※はシングルテナント型(1棟入居型)の物流倉庫であり、自社の業務に最適化したレイアウトや設備の導入が可能で、オペレーションの効率化が図れます。トラックの入出庫のコントロールが行いやすく、敷地内の混雑を避けることで、車両やスタッフの流れがスムーズになります。これにより、セキュリティ面でも監視や管理がしやすく、倉庫を含む施設全体の安全性を高めることができます。さらに、契約条件や管理方針を柔軟に決定できるため、長期的な運用にも適しています。

ロジスタ大阪松原

ロジスタ豊中

※ロジスタ豊中:開発実績として掲載をしております。現在は施設名称が異なります。

 環境・社会への配慮

-古家さん
ロジスタは、環境・社会への配慮を重視し、CASBEE不動産認証※やZEB認証※の取得を推進しています。ロジスタ・ロジクロス茨木彩都A棟・B棟では、グループとして初めてこれらの認証を取得し、環境負荷低減に向けた取組を強化しています。
これらの認証は、不動産オーナーや企業にとって、建物の省エネ性能を証明し、環境配慮やコスト削減のメリットを示すものです。また、投資家やテナントに対しては、持続可能な建物としての価値を高め、長期的な競争力を強化する指標となります。

※CASBEE不動産認証
CASBEE不動産認証とは、既存の建築物の環境性能を評価し、その結果を第三者機関が認証する制度です。 
建物のエネルギー消費や温室効果ガス排出量、水使用量、資源利用、生物多様性への配慮、屋内環境など、多岐にわたる項目が評価され、環境性能の高い建物であることを示す指標となります。

※ZEB認証
ZEB認証とは、建物の省エネルギー性能を評価し、一定の基準を満たした建築物に対して付与される認証制度です。エネルギー消費量の大幅な削減や再生可能エネルギーの活用などを通じて、環境負荷の低減を目指す建物であることを示します。

このように、単なる物流施設提供にとどまらず、テナントの事業成長を支えるための環境整備と運営体制を構築しています。今後も、より良い物流環境を提供するために、施設の改善とサービス向上に取り組んでいきます。

 今後のブランド・施設展開

-古家さん
今後もロジスタは、関西では大阪・神戸・京都の当社グループの沿線を中心に、また首都圏を含む国内主要都市にて、物流業界の変化を先取りしながら、企業のニーズに応じた施設開発を進めてまいります。具体的には、2026年夏竣工・開業予定のロジスタ京都伏見やロジスタ北伊丹、また、現在進行中の阪神間や北摂でのプロジェクト※も含めアクセスに優れたエリアでの開発を進めていきます。
通勤や道路アクセスの利便性を最大限に活かしながら、従業員の方々が快適に働ける環境を整備し、休憩スペースや共用部のデザインにもさらなる工夫を加えていく予定です。
※具体的な立地については順次発表いたします。

物流施設は"単なる箱"ではなく、企業の競争力を左右する重要な要素です。ロジスタは、そうした視点を持って開発が進められています。これからも私たちは、物流企業の成長を支援し、業界の発展に寄与する施設を提供してまいります。