

12月のテーマ:特定療養費って何?
*****************************************************************
体の不調で病院に行くことに。家から一番近い大きな病院に行ったところ、初診料以外に「特定療養費」という名目で請求がありました。「大きな病院は紹介状が無いと費用がかかるんだったっけ、しょうがないかな」と思いつつ、待合室で高齢の患者さんと話をしたところ、「初診のときだけじゃないのよ、再診時にも毎回1050円がかかるの。でも、私が歩いて通える一番近い病院だから、ここに来たいしね・・・」とのこと。う〜ん、特定療養費って何だ?今月は特定療養費の仕組みの中で特に「再診」について調べてみました。
*****************************************************************
<特定療養費制度って何?>
病院が通常の保険診療に上乗せして、自由診療料金を取ることを認める制度です。1984年、「高度先進医療」、「差額ベッド代」など患者が選択して医療を受ける部分について導入され、「予約診療」や「時間外診療」で、特別料金を徴収できるようになったのは1992年です。1996年には「200床以上の病院での紹介状なしの初診料」が、2002年には、「入院期間が180日を超える入院」、「200床以上の病院の再診料」などが特定療養費化されました。現在これに該当するのは下記の13項目に及びます。金額設定については病院の裁量に任されています。
【特定療養費の種類】
(1)高度先進医療の提供
(2)別の療養環境の提供
(3)200床以上の病院の初診
(4)200床以上の病院の再診
(5)180日を超える入院
(6)診療時間以外の診察
(7)予約に基づく診察
(8)前歯部の鋳造歯冠修復または歯冠継続歯に使用する金合金または白金加金
(9)金属床による総義歯の提供
(10)虫歯に罹患している患者の指導管理
(11)医薬品の治験に係る診療
(12)医療用具の治験
(13)薬価基準に収載されていない医薬品の投与
<再診時の特定療養費・厚生労働省のねらうところ>
昨年4月から、厚生労働省の『200床以上の病院と診療所等その他の医療機関との機能分担推進』の方針に基づき、『患者がどの病院で治療するかを判断し、大病院への集中を防ぐ』ために、患者に診療所などへの移行を促す狙いで、200床以上の大きな病院が再診を受けにきた患者から診療費とは別に特定療養費を取れるようになりました。
地域の中の医療機関がそれぞれの特性を生かして、相互に適切な患者サービスを提供できるように、たとえば、高度医療などを行う医療機関に軽い病気の患者が集中することで、実際に高度医療の必要な患者がなかなか受診できない、あるいは受診の際に待ち時間がかかる問題などを解消することになります。
外来よりも入院患者の治療に力を入れたいという病院が、診療所への通院でも大丈夫な患者に説明文や紹介医療機関のリストを渡し、それでも患者がその病院に通い続けたいと納得した場合には、特定療養費がかかってくるということです。
<再診時の特定療養費の金額は?>
特定療養費の額は病院の裁量で決められます。11月6日朝日新聞の記事には、「最高が2500円、最低は50円、平均は680円だった」と取材結果が載っていましたが、医療機関によって金額にかなりの差が見られるのが現状です。
また、医療機関側の姿勢も様々で、この制度を導入しているある病院で、今、通っている患者さんたちに、制度の導入と再診料の説明をし、診療所への紹介を持ちかけたところ、同意がゼロ!結局、この病院は、「診察拒否だと思われかねないから・・・」といってこの患者さんたちから特定療養費を取っていないといいます。そしてきちんと説明をして、「再診を選んだ方からは、いただいています」という病院もあります。
<患者は選択肢を広げ、納得した人だけ来院>
厚労省では、「別に患者を排除するためのものではありません。特定医療費を払ってもすいている病院に行くか、払わない代わりに混んでいる病院に行くか。患者の選択の幅を広げようとしたわけです」と言っています。
医療現場の機能分担はもちろん大事です。この「特定医療費」の制度が医療機関にとって効果があり運用しやすいものになるように、患者であるわれわれは、医師と話し合って納得した上で病院と診療所を使い分けられるように・・・。
医療サービスを利用されるお客様の立場で、この「特定医療費」制度を考えてみてはいかがでしょうか?